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お腹がいっぱいになった後は、街歩き用の地図を片手に
腹ごなしも兼ねて坂越の古い町並みをお散歩してみることにしました。

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公園の横の無料駐車場に車を停め、白壁と焼板が続くメイン通りを歩いていると
どちらから来られましたか?と、作業服を着た男性の方に声を掛けられました。

神戸からカキを食べに来ましたと答えると、ありがとうございます!とお礼を言われ
1700年頃から栄えた町の歴史や、一旦は寂れたものの
平成になってから町を整備するなどして、また観光客が増え始めたことなどを教えて下さいました。
伺ってみると、町の郷土史などをまとめていらっしゃる方で、通りで色々とお詳しいはずでした。


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お礼を言って別れ、もう少し歩くと立派なお寺がありました。
中までは入りませんでしたが、こちらのお寺のご本尊は海中で発見された阿弥陀様なのだそうで
以来、大切に祀られているという説明を読みました。

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そのお寺の筋向いあたりに 「 坂越のお菓子屋さん 」 と書かれた暖簾が下がっていました。
すれ違う人たちが食べていたのは、ここのソフトクリームだったのだと合点がいきました。
そうなると、私も食後のデザートに是非とも食べてみたくなりました。
サクサクのパイ生地のコーンの部分も含め、大変に美味しかったのですが、雪の中で食べるには
あまりに辛く、お向かいにあった 「 坂越まち並み館 」 の中に避難させてもらいました。

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大正末期に銀行だったというこの建物は
今は街の歴史などを手作りの資料や写真パネルなどで紹介する場所になっていました。
迫力の大金庫もあって、優しそうな女性の方が色々と説明して下さいました。

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私がソフトクリームを食べているのを見ると、「 お 若い証拠ですね! 」 と言って下さったのですが
こういった場合は、否定せずにニコニコしておけば良かったなと後で思いました。

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 「 坂越まち並み館 」 の並びには古い造り酒屋の奥藤商事さんさんがありました。
さすが赤穂市らしく 「 忠臣蔵」 と いう名前のお酒や
アルコール度数が20%のにごり酒などがあり、お店用に1本買って帰りました。

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奥藤商事さんの敷地の奥の方には、郷土資料館があったので入ってみることにしました。

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少し急な木の階段を上がって2階に行きますと、昭和天皇のご成婚の時の写真や
五つ玉のそろばん、大日本國防婦人会の日の丸、私と同じぐらいの背丈の黄色い布袋様など
色々なものがありました。中でも心惹かれたのは
火鉢と一緒に置いてあった一人用のタイ焼きの金型でした。


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最後に立ち寄ったのは 「 旧坂越浦会所 」 でした。
1831年築だそうです。

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当時は、この会所で行政や商業の事務を執ったり、2階には赤穂藩主専用の部屋があったりと
1階に8部屋、2階には10部屋もあって、およそ100坪の土地に贅沢に造られた空間は

往時の繁栄を充分に今に伝えていました。

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美味しいカキとレトロな街並み、それに親切な人たち。
坂越はとても良い所でした。
こんなに寒い時期じゃない時に、またゆっくりと行ってみたいと思いました。

『西嬉 HP』 http://www.nishiki.ecweb.jp/