今年92歳になるスイス生まれの現役写真家、ロバート・フランクさんの作品は
近年、莫大な値段が付くようになって、展示をするにも、それをカバーするための
莫大な保険料が掛かったり、劣化を防ぐための厳密な温度や湿度の管理を求められたりして
展覧会を開くことさえ困難になったことから、縦3.5mの新聞のロール紙に写真を高画質でプリントし
展覧会が終わると、その場で全部を破り捨てるという斬新な方法で展示されていました。
体育館のような天井が高くて広いスペースに揺れる400点余りのモノクロ写真は、圧巻でした。
これまでたまに足を運んできた写真展は、どれも美しい景色やお花などを
作り込んだ状態で撮ったものが多かったので
今回のように、見たままを直感で撮ったこれほど多くの写真を見たのは初めてでした。
モノクロの写真も、2006年に大丸ミュージアムで見た 『 ロバート・キャパ展 』 以来でした。
トリミングの過程を見られるコーナーなどがあって、70年に亘る軌跡を追えるようになっていました。
順路を追って歩いた最後には、宙に浮いている写真集がたくさんありました。
近づいてみると、実は天井から紐で吊られていて、
誰でもが自由に手に取って見られるようになっていました。
社会派には程遠い私ですが、でも何かをモノクロで撮ってみたいなと思いました。
『西嬉 HP』 http://www.nishiki.ecweb.jp/