2月の最後の連休に、竹中工務店についての美術展2つに行ってきました。
( 今は両館共、新型コロナウィルス感染症の予防・拡散防止のため閉館中です )
今回は、大工さんについての展覧会でした。
大工さんは、かつて法被と腹掛けとパッチ姿というのがお決まりのお仕事着でした。
「鯔背(いなせ)な」という言葉が、よく似合いますね。
雨が降ってお仕事ができない日は、墨壺などのお道具を作ったそうです。
それらのお道具類が、大工さんの腕を評価する看板となったことから
茄子に富士山の彫刻があるものや、蒔絵細工が施されたものなど
他にも、初心者向けの教本や
大工さんが登場する浮世絵などもありました。
企画展を見終わった後は、地下に続く階段を降りました。
地下2階から地下1階にかけて吹き抜けになっている部分には
唐招提寺金堂の実物大の組物模型が立っています。
本来なら、下から見上げることしかできない大きなものですが
地下1階からだと、目の高さで間近に見ることができるのです。
常設展の中で、いつ見ても圧巻だと思うのは
昭和18年当時の1軒の建物を建てるための、一人の大工さんが使うお道具一覧です。
全部で172点もあります。
戦後は、電動のお道具が出て来たり、構法が変わったりして
その数は減ったそうですが、毎日必要なお道具をこの中から選び
大工道具箱に入れ、肩に担いで出勤したのだそうです。
一通り見終わった後は
神戸市立博物館で開催されていた
『 建築と社会の年代記~竹中工務店400年の歩み~ 』 を見に行きました。
実はこの時期、土日祝に限ってのことでしたが
2つの美術展を繋ぐ無料のシャトルバスが出ていたことを知り
有難く使わせていただくことにしたのでした。
昨年の11月にリニューアルオープンをしたこの神戸市立博物館も
1935年(昭和10年)に竹中工務店が横浜正金銀行神戸支店として建てたものだそうで
昭和初期の名建築と呼ばれるこの建物で、今回の展示ができる意義は大きいと
展示室入口のご挨拶のところに書いてあり、
本当にね~と思いながら、写真・古文書・絵画・模型・図面・映像等
多岐に亘る展示を見て回りました。
その中には、現神戸市立博物館を始めとして
お散歩の時に前を通る神戸ムスリムモスク
毎年桜の時期には、横の浄水場に写真を撮りに行く、
ANAクラウンプラザホテル
去年の夏、お友達と行ったあべのハルカスや
そのハルカスの地上300mの展望台から見下ろした通天閣
そして、旅行から帰ってきてこれが見えると帰って来た~!と思う、
私たちのポートタワーなど
たくさんの身近な建物についての写真や資料を見ました。
今回見たアプローチの異なる2つの竹中工務店展は
目が疲れましたが、とても面白かったです。
目が疲れましたが、とても面白かったです。