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大学生の時に大変お世話になり、近年は東京にいらしたシスター窪が
今年の春から、また神戸に帰っていらしたことを人づてに知りました。
そして、その神戸で 「 聖書を読む会 」 を開いていらっしゃると聞き
問合わせ先と書いてあった方に、勇気を出してお電話してみました。

講義は平日の午後の開催ということでした。
お店の準備もありますし、時間的に無理かなと諦めかけたのですが、
シスターの講義をもう一度受けたいという思いが勝って、
一回だけのつもりで参加の申し込みをお願いしました。

講義はまずシスターの唱えられるお祈りに唱和し十字架を切ることから始まりました。
その一連の動作は実に何十年かぶりなのに、手が覚えていて自分でも驚きました。

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先輩方に混じって、お借りした聖書を一節ずつたどり
この日シスターにいただいたパレスチナ地方の地図を見ながら
当時の人々の生活や、その地方の風土、時代背景についてのお話を伺いました。

中学 ・ 高校 ・ 大学とカトリック系の学校に通いましたので、
聖書を開いてのお勉強は10年間もしましたが、こんな風にアウトラインから
聖書を読み解いていったのは初めてのことで、とても新鮮でしたし
またこれまで腑に落ちないなと思っていた箇所にも、納得しました。

ノートにたっぷり5ページ分のお話を聞いた後は、楽しい茶話会の時間でした。
私はそこで失礼するつもりでしたが、先輩方が時間がないと言った私に
先に紅茶を淹れて下さり、美味しい手作りのパウンドケーキまで用意して下さったので、
お言葉に甘えて大急ぎでいただきました。

シスターや先輩方と一緒に過ごした1時間半は、上品でユーモアと知的好奇心に満ちた
とても豊かな時間でした。
すっかり忘れていましたが、かつては自分もこういう雰囲気の中にいたのだと
普段の慌ただしい日常とのあまりの差に、感慨とも感傷ともつかない思いを抱いて
帰りのバス停に立ちました。

そして!

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そのことがキッカケとなり、シスター窪を始めとした聖書を読む会の皆さまが
西嬉にお食事に来て下さいました。

「 では、クリスマスのお食事会を始めます 」 というシスターのご挨拶で始まったお食事会は
とても和やかで、お料理をお出しするのが遅くなって長い時間お待たせしたことは
大変申し訳なかったのですが、お料理を運びながらも所々でお話に参加させていただいた私は
とても楽しかったです。

ふと 「 大学生時代に一番厳しくて、一番怖くて、一番尊敬していて、私にとっては
大学時代の象徴そのもののように感じられるシスター窪が、私のお店にいらして
ニコニコとお食事なさっている 」 という事実に気が付いた時には、
毎日一生懸命に頑張っていればこんな日が来るのだと、感極まって涙が出ましたが、
泣いていては手が止まって余計にお待たせすることになると大将に指摘され
慌てて涙を拭いてお仕事に精を出しました。

シスターは、参加なさった方々全員とそれから私にまで、クリスマスプレゼントとして
イエス様とマリア様が描かれた小さくてとても美しい絵を下さいました。
最後に記念撮影をしてお開きになりましたが、舞い上がっていた私の心が落ち着いたのは、
それからしばらく経ってからのことでした。

皆さま、ご来店下さり本当にありがとうございました。

『西嬉 HP』 http://www.nishiki.ecweb.jp/