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今月の初め、続けざまに2本の映画を見ました。

1本目は、喜劇役者で有名な藤山直美さんが16年ぶりに主演した 『 団地 』 という映画です。

大阪の郊外にある団地を舞台にしたお話ですが、オープニングのシーンが
大将がお店でよく聴いている浜村淳さんのラジオで始まるあたりに、
とてもリアリティがありました。
その、どこにでもあるような団地の中で繰り広げられるテンポの良い、
それでいて関西独特の薄っすらと毒のある会話に 「 こういうのあるある~! 」 と
大笑いしながら見ました。

芸達者な役者さんたちに混じって異彩を放っていたのが、去年ぐらいから
「 セクシー俳優 」 として急にたくさんのテレビに出ていた斉藤工さんで、
少し素っ頓狂ながら実直な青年の役がピッタリとはまって、出てくる度に
次はどんなことを言ったりしたりするのかが楽しみでワクワクしました。

そうして、大阪での日常を描きながらも、ラストにはあっと驚く展開が待っていて
まるで、落語の出囃子で始まったお話が、スピルバーグの 「 未知との遭遇 」 で
終わったような感じで、とても驚きました。
あまりにビックリしたので、エンドロールが流れるのを見ながらも
心の中では、えええええ?を、繰り返していました。

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続いて見た映画は、1945年5月8日、ヨーロッパの
勝戦記念日に湧くイギリスで、王女様の1日を
追ったお話でした。

5月8日の夜に、お父様である王様から妹と一緒に王宮を
出てホテル・リッツでお祝いをしてもいいという許可を
もらった今年90歳になられたエリザベス女王の
当時19歳の時の実際の出来事を、本当はこうだったら・・・
と想像を膨らませたストーリーです。

ヒロインを演じた女優さんは、とても可憐で聡明そうな方で、
ホテル・リッツから逃げ出した妹を追って街中を
尋ね歩く内に、戦争に勝ったという光の側だけでなく、
その裏側の陰の部分にも気が付いて、それから
淡い恋もして、人間的に更に成長する姿が、
スタンダードジャズの 「 イン・ザ・ムード 」 や
「 アメリカン・パトロール 」 などの
軽快なジャズに乗って描かれていました。

散々、捜し歩いてやっと妹と再会できたダンスホールで
演奏されていた曲が、王宮の中で妹と一緒に聴いていた
「 茶色の小瓶 」 で、その曲に乗って姉妹で楽しそうに
踊るシーンは、素直に良かったね~!と微笑んで
しまいました。

今回見た映画は180度タイプの異なるものでしたが、
そのどちらもが、日常のその先にある、或いは
あったかもしれない出来事について、少し想像を
膨らませたお話でした。

1週間の内に2本も映画を見ることに
少し躊躇しましたが、でも見に行って良かったと思いました。

『西嬉 HP』 http://www.nishiki.ecweb.jp/