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先日の海の日、大阪日本橋の国立文楽劇場に行って来ました。

前回は、応募した懸賞に当たって見たのですが、私が日付を間違っていたために
当たったのが平日で、終わった後の余韻を楽しむ間もなく
大慌てでお仕事に戻らなければならず、とても慌ただしかったので、
今回はきちんと休日であることを確認してからチケットを予約しました。

夏休みということで、お子さんでも楽しめる親子劇場と銘打たれた第一部から
サマーレイトショーと書かれた夏らしい怪談が演目になった第三部までありました。

私が見たのは、近松門左衛門の没後290年を記念した第二部の名作劇場で
『 平家女護島 ( へいけにょごのしま ) 』 と
『 鑓の権三重帷子 ( やりのごんざかさねかたびら ) 』 でした。

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客席は満席でした。

休憩を挟み2つで3時間半あまりの長い時間でしたが
今回もお借りした有料のイヤホンガイドの説明を聞き
舞台の上に2行ずつ表示される大夫さんのセリフを読みながらでしたので
最後までお話に付いていくことができました。

そして最初だけは少し気になった、お人形一体につき3人の人形遣いさんのお姿も
すぐに全く気にならなくなったばかりか、突っ伏してむせび泣く女性の背中のリアルさや
主人公が帯を解き、それを放り投げる仕草等、お人形たちの自然な動きには大変驚きました。

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それから、今回もう一つ楽しみだったのは、先日母校で開かれた公開講座
講師をして下さった豊竹咲寿大夫さんが
『 鑓の権三重帷子 』 の 「 伏見京橋妻敵討の段 」 に出演なさっていたことでした。

知っている( と言っても、私は講義を聞いただけですが ) 方が出ていると思うと
見る時にも、つい身を乗り出すほどに力が入りました。
講義室で大夫さんの口上を実演して下さった時も、もちろんとても凛としていらしたのですが
やはり本物の舞台の上でとなると、一層、張り詰めた気迫が感じられて
プロの方にすごいと言うのは失礼かもしれませんが、すごいものだなと思いました。

Photo

文楽というのは、セリフが江戸の言葉そのままであったり、決まり事があったりと確かに入口の部分は、少し難しいものかもしれませんが、でもイヤホンガイドや字幕を読むことで、それはかなり解決できるのではないかと思いました。

そしてその上で、現代にも通じる波乱万丈な物語や、
豪華絢爛な衣装、凄惨な場面を、こと更賑やかに
盛り立てるといった独特の美学など、伝統芸能の
素晴らしいところは、もっと大勢の方に知って欲しいなと
思いました。

『西嬉 HP』 http://www.nishiki.ecweb.jp/

追記
相互乗り入れなどで、私にすればカオスそのものに
感じられる大阪の電車を、行き帰り共に、乗り間違える
ことも、乗り過ごすこともなく無事に済んだのは、
全く画期的な出来事でした。