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先日の連休は、大将がお山に行って留守だったので
エイチエムピー・シアターカンパニーさんの
 『 忠臣蔵 ビッグバン / 抜刀 』 というお芝居を見に行って来ました。

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朝から本当に暑い日で、普段は駅まで歩いて行きますが
命の危険を感じたので、バスに乗りました。

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会場となっていたのは、伊丹市のアイホールというところでした。
電車の乗り継ぎということに、少しドキドキしましたが
間違うことも迷うこともなく着けて良かったです。

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今回は、忠臣蔵の発端となった松の廊下での刃傷沙汰までのお芝居でした。
大事件のキッカケとなった重大な出来事なので、 「 ビックバン 」 という、
一見、忠臣蔵とは結びつかなさそうな副題が付いているのかなと思いました。

そして、 「 序 」というのは、年に1度ずつ
3年に亘って上演される3部作の1作目という意味のようでした。

ちょうど文楽講座で 『 仮名手本忠臣蔵 』 のお勉強をしているところでしたし
エイチエムピー・シアターカンパニーさんのお芝居を見るのは初めてのことでしたが
劇団を、男性ばかりの松組と女性ばかりの亀組に分け
全く同じセリフと衣装で演出の違う2パターンを上演するという趣向がとても面白いと思い
両方のチケットをセットで買うと少し割安になるということで
折角なので2つの舞台を見比べるという贅沢をしてみました。

それから、パンフレットを見て知ったのですが、同じなのはセリフと衣装だけでなく
Wキャストになっている役者さんたちの年齢も、ピッタリ同じに揃えてありました。
これはもう、否が応にも期待が高まります。

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お芝居のセットは、人の背よりも大きな六角形が3つと床に置かれた柱が数本のみで、
いわゆる背景が全くないとてもシンプルな物でした。

お芝居が始まると、プロジェクションマッピングを使って
この六角形のメッシュになった部分に模様が映し出されたり、
それが駆け廻ったり、登場人物の名前が出たりしました。
また、スポットライトの色で、その時々の情景が表現されていたもして
もうただただ、ほ~~~!です。

そして、下段の二つのメッシュの部分は、板や紐ではなく平たいゴムが張られていたらしく
ラストシーンで、役者さんがそこからニョキ!っと顔を出されたのには驚きました。

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その役者さんのお顔は、白塗りででしたが
歌舞伎俳優さんのように、お首まで隙間なく塗るのではなく
お顔の真ん中の部分だけが真っ白に塗られていました。
髪型もお侍さんのチョンマゲではなく、普段のお姿のままでしたので
見慣れるまでは、いちいちビックリし続けていました。

お衣装も、浅野内匠頭側の人たち(と、朝廷からの遣いの大納言さん)が
白い着物の上に色違いでオーガンジーのような透ける薄布を羽織り
敵役の吉良上野介側の人たちは、黒い着物の上に
また違った色の薄布を羽織っておられたので、六角形の部分に映し出された名前と共に
登場人物の相関関係を理解するのを助けてくれました。

夢中で見た95分間のお芝居はあっという間でしたが
脳みそがとても疲れましたので

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午後の部の上演までに頭の中をリセットしようと思い
少し歩いたところにあるお店に行って、遅めのお昼ご飯を食べました。

食べながらも、さっきまで暗い中で見ていたお芝居の世界と
明るい店内で見る、目の前のワッフルセットの現実がうまく融合せず
しばらくボーっとしていました。

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午後の部もセットは同じだったものの、ホールへは先程とは反対側から入りました。
つまり、客席がこの六角形を挟んで反対側に設えられていたのです。

よく見ると、さっきよりも六角形の前のスペースが狭いです。
役者さんが舞台上で大きく動けない分、ゴムのメッシュの部分を自在に開いて
まるで窓の中から外に向かって演技するような演出がなされていました。
なるほど~~~!です。

 
これまでは、文楽劇場や四季劇場などの大きなホールでしかお芝居を見た事がなかったので
役者さんが舞台でドン!と足を踏み鳴らすと
その振動がダイレクトに客席のイスに伝わってくるような経験は初めてでした。
マイクもありませんが、隅々にまで響き渡る素晴らしい滑舌には感動しましたし

男組はカッコ良く、女組は宝塚歌劇的なケレン味がたっぷりで
両方の舞台を見られて、本当に良かったと思いました。

 素人が失礼ながら、予想以上にめくるめく時間を過ごすことができましした。
ありがとうございました。
終わって外に出ると、夏の日はまだ高く
お芝居の余韻に、まだしばらくボーっとなりそうでしたが

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駅のホームに降りてみますと、この暑さのせいでレールが曲り
一部の路線に遅れや運転取りやめがあるという案内が出ていて、一気に現実に引き戻されました。

ヒヤリとしましたが、幸い私の乗る電車には影響がなかったようで
ホッとして、また先ほどまでの余韻に気持ち良く浸りながらお家に帰ってきました。

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